リノベ工事って簡単?

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こんにちは代表の松島です。
前回のリノベにまぐれはないに続く第2弾で、リノベ工事の業務難易度について、話してみたいと思います。

もちろん、大工さん、電気、塗装、クロス等、どれもそれぞれの専門職人さんが施工するため、DIY経験程度の素人が出来る様な工事などなく、とても難易度が高いので、ここでは現場を収めていく施工管理業務を対象にしたいと思います。

一口に施工管理といっても、リノベーション会社や案件の規模ごとに、その役割や業務内容は異なると思いますので、ここでは比較的規模の小さい区分マンションやアパート等の工事で、1Rの工事単価が大体250~300万程の案件を想定して貰えればと思います。原状回復工事よりは全然大きいものの、スケルトンからの工事や建築工事よりは小規模の工事というイメージです。

目次

意外にシンプルな業務内容

受注してから、現場を完成させるまでの主な業務を着工前、工事中、工事後に分けると以下になります。

着工前:
①施工図面の作成、
②資材の選定、各施工予算の作成した上での工事予算の作成、
③工事工程組み、各施工担当(職人)決めと工事内容・予算調整、

工事中:
④現場進捗に合わせた資材の発注と納品確認、
⑤各工程の完了検査・記録、必要に応じて職人さんへの手直し指示

工事後:
⑥請求金額の確認し、最終粗利の算出

もちろんこれ以外にも、マンションの管理組合への工事申請、近隣挨拶、工事完了後の報告書の作成等もあるので、あくまでも主要な業務だけにしました。場合によっては少し難易度の高い現場や細かい要望がある場合は、施主との打合せも必要なケースもあります。

どうでしょうか?意外と多いと思いましたか?それとも、まあそんなものか、そこまで多く無くシンプルだなと思われた方も多いのではないでしょうか?

確かに、1個1個の業務については、着工前から工事後まで「スムーズ」に流れればそこまで難易度が高くなく、業務量もそこまで大変では無いかもしれません。
ただ、普通にやっていると、「スムーズ」に行くことがまず無いのが、リノベの「面白い」ところなんです。

雪だるま式に増えていく仕事構造

例えば、着工前に施工図面を作成して、予算書、工程組まで終わり、いざ着工となり、最初解体から始まりますが、解体後に既存の排水管の位置が想定と違ったり、木造の場合、壁の中から取り外せない柱や筋交いが出てきたりして、間取りを変更せざるを得なくなることはざらにあります、また、施主からの要望で途中で工事内容を変更することも起こります。そうなると、都度、解決策(間取りや施工方法、段取り等)を考え、施工図まで遡り、予算書、工程組と変更修正をする必要が出てきます。工程が変わると各職人とのスケジュール調整も必要になるので、それだけで工事の進み具合にもよりますが、4組程度の職人さんとやり取りが必要なケースも出てきます。
着工後は工事を進めながらも、日々現場に入っている職人から上がってくる課題(図面通り作れない)に対して、上記変更のサイクルを回していく必要があり、仕事が絶えず雨後のたけのこの様に湧いてくるイメージ。
たまに、変更が重なったり、忘れてしまったりして、施工図や予算書の修正が出来ていないと、当然職人も変更が伝わらないので、間違った工事を進めてしまい、その手直しが必要になり、仕事が雪だるま式に増えていくことも珍しくありません。

関係者の多さがもたらす複雑性

資料作成や修正については仕事量はあれど、施工管理にて完結するのでコントロールし易いのですが、実際に現場が始まると、一気に関係者が増え、その分トラブルが起きる確率も上がります。
以前のコラムでも話しましたが、1現場辺り最低でも9職種の職方さんが関わります。各職方さんも一人で施工する方もいれば、現場規模によっては2~3名で入るため、1現場辺り20名近く職人が出入りすることになります。また、資材も10社以上の取引先から仕入れており、受注から配送事務をして頂ける方も多岐に渡り、運送スタッフを含めれば、現場に商品が納品されるまでに、相当数の人が絡むことになります。
これだけ多くの方が絡むと、当然、人為的なミスや間違いによる施工ミス、誤発注や誤納品、納期間違い、荷受け人不在の場合の商品の持ち戻りによる資材の納品遅延等が発生し、都度対応が必要になります。

複数案件管理の難しさ

案件規模が数千万を超える様な大規模工事の場合は、施工管理の担当現場が1~2件に限定され、ほぼ現場に常駐することになり、仮に資料修正が間に合わなくても、当日来る職人さんに直接指示出しが出来ますし、現場からの課題に対しても、その場で職人さんと最適解を出しながら進めることも可能です。また、職人さんの勘違いによる施工ミスや、資材の寸法違いや色味の違い等の誤納品絡みミスにも直ぐ気が付けくことも出来るので、大きな手直しも防げ、仕事の雪だるま現象はある程度抑えられます。

一方で、小規模案件の場合は会社にもよりますが、常時5~10件程度の案件を同時並行で担当するため、現場に常駐するのは物理的に難しく、毎日1現場見に行ったとしても、2週に1度程度しか現場確認出来ないので小規模工事だと、次見に行くと、ほぼ工事が終わってしまってた、または修正指示が来ないので全く進んでいない、なんてことも起こります。

それを防ぐには、絶えず現場の課題を直ぐに把握するのはもちろん、施主からの要望も含めて、何か変更が起こった際はタイムリーに施工図に遡り資料修正を行い、現場に共有し、スケジュール調整するというサイクルを高回転で回すことが、非常に重要になってきます。

上記は単に一つの現場の資料修正の頻度、量について話しましたが、当然案件数が増えれば増えるほど、必要な修正や課題の数もその分だけ増えます。加えて、施工上の技術的なことも把握していないと、検査で必要な手直しに気づけず、傷を広げてしまう→やり直しの範囲が広がることもあったり、難しい課題が発生した場合に直ぐに解決策が見つけられないなんてことも起きるので、実は施工管理の業務をスムーズにこなすのは、かなり難易度が高いのです。

負荷を最小化する仕組み作りが肝

施工管理の難易度が高い上で、どうしたら少しでも、スムーズに流れる様に出来るかについては、リフォーム会社各社さんが悩んでいるところで、エイムズでも日々メンバと試行錯誤しています。大きな方向性としては、個々の施工管理の負荷を減らす様に、仕事を分業制にしたり、オリジナルシステムを開発して社内外での案件情報共有の自動化等を進めています。

例えば分業制については、作図専門のチームを作り、図面の作成から修正は基本そのチームで巻き取ることで施工管理の手間を減らしています。また、全体の資料チェックを第3者が行うことで、着工後の資料修正の頻度をなるべく減らす様な取り組みもしています。

まだまだ、道半ばで、改善点は無限にある⇒伸びしろは無限大ということで、日々精進しています。

最後になりますが、こういった仕組みか、システム化に興味があるという方、取り組んでいる方、はたまた、我こそは最強の施工管理であるという方がおりましたら、是非お声がけください。ブレインストーミングさせて頂きたいです。

松島 力

この講座を解説したスタッフ

松島 力 代表取締役社長

東京大学工学部卒。2002年三井物産入社。化学品化学品本部に所属し、芳香族系のクレゾール・その誘導品、アンモニア誘導品のメラミンの事業責任者として、事業規模100億円程度の輸入、輸出、三国間取引を推進。 2008年ボストンコンサルティンググループ。金融機関の事業再生、電機・FA機器メーカー営業戦略、代理店戦略の立案に従事。2011年ハプティック株式会社の立上げに参画、取締役兼リノベーション事業部長。2015年エイムズ株式会社を設立。

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