築古物件の空室解消にリノベーションをしよう!と考えても、何から始めればいいのか、費用がどのぐらいかかるか分からずに足踏みしてしまう大家さんが少なくありません。効果的な段取りと費用のかけ方を、数々の築古物件をリノベーションで再生してきたエイムズが解説します。
築古物件になって空室が目立ってきたし、思い切ってリノベーションしようと考えています。何から始めればいいのでしょうか?一番気になっているのが費用面です。リノベーション費用はどのぐらいかかりますか?前向きに検討しているので工事の進め方も知りたいです。
リノベーションには効果的な順番があります。費用のかけ方や事例、資金調達に使える方法などをご紹介します。どの程度の資金があるかにもよりますが、リノベーションには最適な順番があります。どこから手をつけていくのか、どのように資金を確保していくといいのかをご紹介します。また、実際の施工事例などを交えながら、一般的な費用についてもご紹介します。
目次
アパート・マンションのリノベーションの段取りと費用
リノベーションの段取りはおおまかに以下の通りです。
- 現地・市場調査
- 施工プラン作成
- ご契約
- 着工〜お引き渡し
この中でも、1と2に関して詳しくご説明します。
1.現地・市場調査
まずは周辺環境と物件の調査、確認をします。物件の劣化具合の確認も大事なのですが、周辺環境などの市場調査をしないと工事プランや工事後の募集賃料が決まりません。市場調査ができれば賃料をどれくらい上げられるかが概算で出せるため、リノベーションをした場合の利回りが出せるようになります。エイムズでは、お問い合わせをいただいてから1週間以内に調査をしてプランについてご説明させていただきます。
2.施工プラン作成
次に、イメージ図、用途・収支シュミレーションの作成に入ります。リノベーションにかけられる資金がどれくらいあるのか、空室はどれくらいあるのかなど、状況によってどのようにリノベーションしていくのかは変わってきます。
まずは空室になっている物件の1室だけをリノベーションしてみて、効果を確かめることが多いです。リノベーション後に家賃アップ、入居者獲得とうまくいけば、そのまま他の部屋もリノベーションをして全室リノベーション、外観もきれいにしていくという流れになります。
万が一うまくいかなかったとしても、他のリノベーションを試し、うまくいくリノベーションを探るという意識を持てると良いですね。例外的なケースではありますが、全室空室の物件であれば、構造なども含めて物件のすべてを自由にリノベーションできるチャンスがあることもあります。
ただ、資金がなければリノベーションはできません。資金計画を立て、工事と資金調達へと進みます。まずは資金を確保するためにキャッシュフローの整理が必要です。
キャッシュフローを整理するには、内装からリノベーションをして、内装がすべて終わったタイミングで外構に手をつけます。なぜなら、外構がきれいでも内装がボロボロでは入居は決まりませんが、外構がボロボロでも部屋がきれいであれば入居決まるケースが多いためです。
内装が終わり、キャッシュフローが改善した段階で、外構や防水などに着手し、建物全体のリノベーションが完了します。契約するまでにここまでしっかりとシュミレーションをして計画を立てておくと、リノベーション後の利回りが読めて、資金調達もしやすくなります。
一般的には施工完了までが施工会社の役割ですが、エイムズではリノベーション中から自社で運営するお部屋探しサイトに掲載。施工中に6割の物件が、施工完了後1ヶ月以内に9割の物件が入居申込みを獲得しています。
効果的な費用のかけ方と段取りで1棟リノベーション!築古アパートの事例
築30年の物件のリノベーション事例をご紹介します。お問い合わせ後に現地調査を行い、プランを作成して内容を詰めて、まずは1室からリノベーションをさせていただくことになりました。
フルリノベーションをして床はすべて無垢床に。アクセントクロスと色をそろえたシックなタイルで、デザイン性もアップさせています。
事前の予想通り、施工後すぐに入居が決まり、空きが出た部屋から順次リノベーションを実施。
全室リノベーションが完了したため、現在は外構のリノベーションをする段階になっています。
エイムズなら、月間5万人が利用するリノベーション・デザイナーズ専門のお部屋探しサイト「リノベ百貨店」をはじめ、施工後の客付や施設の運営までバックアップ。年間3000組以上の入居希望者の声を活かした企画力と自社サイトによる客付け力でリノベーションを成功に導きます。ご相談はこちらから
アパート・マンションのリノベーション工事にかかる費用はどのくらい?
先に伝えておくと、費用がいくらかかるのかは具体的な条件ややりたい工事内容によって大きく変わります。なので、あくまでも一般的な相場感だけをお伝えします。
リノベーションの費用を平米単価で換算するとワンルームが一番高くなります。配管や設備のコストがかかるためです。そのため、部屋が広くなるほど平米単価は安くなります。
配管や設備の交換までフルリノベーションをした場合、費用の目安は以下の通りです。
- ワンルーム:250〜300万円
- 40平米の部屋:400万円前後
- 50平米の部屋:500万円前後
40平米以上であれば、平米単価10万円がひとつの目安になります。
部屋の広さ以外にも、アパート、マンション、戸建てかによってリノベーション費用に多少の違いがあります。
木造アパートの場合、シロアリや床の腐食などがあると費用が高くなります。築古の木造アパートは、床下が腐食していたり、構造、屋根の劣化が見られることがあります。マンションには、シロアリや床の腐食の心配がありません。
戸建ては床面積が広いため、戸数あたりで考えれば費用は一番高くなります。外壁の改修や屋根の張り替えなども必要なケースがあり、区分所有者に比べると費用がかかります。
ワンルーム40万円〜のパッケージプランを用意しています。実際の施工事例も掲載しているので、費用と施工イメージがよりわかりやすいと思います。ぜひ参考にしてください。
リノベーションで使える補助金やローンなどの資金調達方法
「あまり余剰資金がなく、どのように資金を確保していけば良いのか分からない」という人もいるかと思います。計画的に積み立てていけるのが一番ですが、相続した場合や中古で購入した場合など、難しいケースもありますよね。資金を確保するために考えられる方法をご紹介します。
●計画的にためる
理想的なのは計画的に資金を積み立てておくことです。1部屋あたり月にいくらずつという金額を設定してプールしておく、礼金をそのまま積み立てるなど、ルールを決めておけるといいですね。先ほどご紹介したように、ワンルームであれば300万円を目安に積み立てていると安心です。
このとき、修繕費用のことも考えておかないとシミュレーションが合わなくなってしまいます。築30年までの計画修繕費用は国交省のガイドラインだと200万円前後。リノベーション費用と修繕費を合わせると500万円必要という計算です。
築30年でリノベーションすることを前提にすると、毎年17万円。月にすると約1.4万円を積み立てることになります。ローンの返済などもあると、かなり収益を圧迫するのは間違いありません。そこで、積み立てるだけでなく、他の方法と組み合わせることで収支に余裕を持たせることができます。
●金融機関から借りる
物件を相続して手持ち資金が少ない、計画的に積み立てられなかったという方も、金融機関から借り入れをすることで資金を調達することは可能です。リフォームローンやエイムズで紹介しているローンは金利が下がっており、銀行や信用金庫などから2%前後の金利で借りることができます。日本政策金融公庫なら無担保・保証人なしで2%前後で借りることもできます。
また、手持ち資金が十分にあったとしても、万一に備えて借り入れを行う、相続対策の一環として借り入れを行うというケースもあります。日頃から取引のある金融機関であれば相談にも乗ってもらいやすいため、まずは付き合いのある金融機関に相談してみるのがいいでしょう。
ただし、最終的に一棟リノベーションをしようと考えるとかなりの金額がかかることが想定され、簡単に融資がおりない可能性があります。ここで、段取りの部分で説明したシュミレーションの出番です。
賃料が上がった場合のキャッシュフローを伝えることで返済能力があることを伝えたり、実際にリノベーションして賃料アップ、空室改善によるキャッシュフローの改善が証明できれば、資金計画に沿って追加で融資を通してもらいやすくなります。
●補助金などを利用する
様々な条件はありますが、リノベーションで利用できる補助金もあります。
住宅セーフティネット制度
国土交通省が主体となって推進している補助金制度です。低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など、賃貸住宅を借りにくい「住宅確保要配慮者」の入居を認めることが条件になっています。
補助率は3分の1で、1戸あたりの最大支給額は100万円。耐震工事やバリアフリー化など、一定の要件を満たすリノベーションに限定されます。
詳しい条件などは、国土交通省のHPをご確認ください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
こちらも国土交通省が主体となって推進している制度です。耐震性や劣化対策、省エネルギー性など、性能の向上に対して補助金が出ます。躯体の劣化対策なども補助の対象に入っています。
補助額は原則1戸100万円となっていますが、条件を満たすリノベーションであれば、1戸あたり最大250万円まで補助を受けることも可能です。詳しくはこちらをご確認ください。
その他の補助金
他にも自治体で独自に補助金を出しているものがあります。リンク先のサイトから地方自治体がリフォームに出している補助金が検索できるため、ご自身の自治体で検索してみてはいかがでしょうか。
まとめ
リノベーションをするには、市場調査をして利回りが取れるプランが考えられるかが一番のポイントになります。費用がかかっても高い利回りで資金が回収できれば、費用の問題は融資などで解決可能です。費用だけに着目せず、投資回収できるポイントにしっかりと資金を使い、賃貸経営を安定させてください。
原状回復やリフォームをして資金を使ってしまったために、リノベーションの費用が十分に確保できないという方も多くいらっしゃいます。築年数が経って空室が目立ってきた、そもそも内見が減ってきたという場合は、リノベーションを検討してみてください。築古でも人気物件に蘇らせることが可能です。
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