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分業制あるある
以前の裏の裏で、リノベ事業は業務内容が多岐に渡るという話を書きました。
オーナー様の要望ヒヤリング兼現地調査から始まり、リーシング面での差別化を検討した上での提案書の作成(間取り図、デザイン、仕様作成)、御見積書の作成、オーナー様提案、フィードバックを踏まえての提案内容修正、再提案と続き、
受注後は工事資料の作り込み、資材選定、予算作成、職人さん手配/指示出し、納品手配、品質チェック、是正指示、オーナー様への引き渡しと続きます。
おのずと、提案数や工事件数が増えてくると、一人で全ての工程を担当するのは、カバーする業務知識やキャパ的に困難で、分業制にしていくことは避けて通れません。
当初は一人の担当が、営業から設計、施工管理を全て担当するやり方から、お客様との接点は営業、工事資料の作成は設計、工事マネジメントは施工管理と分業していく中であるあるなのが部署間の連携問題。
各部の担当が、目の前の相手(営業であればお客様、設計は営業、施工管理は職人さん)に意識が向き過ぎてしまい、全体最適やバランス感が薄れ、お客様への意識が強くなり過ぎ協力して頂いている職人さんに無理なお願いをしてしまったり、逆に職人さんのことを想い過ぎてお客様への意識が薄いでしまったりということが、よく起こります。
ただ、各担当も目の前の協業先に良かれと思って一生懸命取り組む中で起こるため、悪意や悪気が無いところがこの問題の難しいところです。
いうなれば、営利目的の組織より、ボランティア組織の方が、舵取りが難しいみたいな。
例えば、営業が工事の知見が少なかったり、お客様の無理な要望になるべく応えようとサービスすると、、、
・解体後の現地調査で大きなプラン変更が必要にも限らず、工期や費用の相談をしない
・手間のかかる追加工事があってもお客様と費用の相談をしない
・資材や工賃が上がっているのに値上げが出来ず収益性が極端に低い工事を受注してしまう
・お客様に求められるまま、無理な短工期を約束してしまう
一方で施工管理はオーナー様との接点より、職人さんとのやり取りが多くなるため、必要以上に職人さんに遠慮、気を遣ってしまうと、、、
・着工後の現地調査やオーナー様からの変更要望があっても、職人さんに施工変更指示、特に出戻り(一度作ったものを壊してやり直す)が発生するお願いが中々出来ない、言い出せない
・職人さんの工事の遅れで、現場の工期が遅れる際に、他工程の職人さんに協力してもらってでも、全体的な工程を守る様なお願いが出来ない
・職人さんに遠慮して、本来すべき手直しの指摘、やり直しの指示が出来ない
・施工費用について、事前の決まりから大きく上振れても、相談できない
あるあるの行きつく先は
上記の様な状況が恒常化すると、無理な工程組みや予算管理が頻発することになり、職人さんに負荷がかかり、現場管理が回らなくなり、施工品質が下がったり、工期が守れなくなることが増えていきます。また、施工品質、納期が守れなくなることで、最終的にはお客様からのクレームや残工事に繋がり、営業も疲弊していくとともに、顧客満足度も下がり、リピーターが減っていく、、、という悪循環に陥ります。
これは、繁忙期を筆頭に本当にリノベ会社のあるあるで、残工事が増えるのを放置すると、残業による勤務時間が増えたり、追加工事の増加により費用が増え、収益性が下がっていき、最終的には社内で営業や施工管理が相互に互いを非難し始めるみたいなことが起きて、顧客が離れるのはもちろん、社内の離職者も増えて、最終的に何も残らないということになりかねません。
エイムズも多聞に漏れず、過去に何度か上記スパイラルにハマり掛けました。
職人さんを含めてお客様視点を持ち、互いにサポートし合うことが唯一の鍵
上記スパイラルに落ちない様にするには、近道はなく、所属部署に関係なく、全員がお客様視点を持つこと、また、職人さんにもお客様視点を持って貰うことです。
もちろん、急な仕様変更による出戻りや手直しは、自分が作ったものを壊して、また作り直さざるを得ないこともあり、非常にストレスです。ただ、最終的にはオーナー様やご入居者が喜び、求めるものを作るのが大前提なので、そこは前向きに協力して頂く様に、理解して貰う必要があります。
また、その上で、営業は現場に興味を持ち、施工の知識や現場の個別状況を理解しようと努めるとともに、オーナー様に対して、しっかり説明すべきことは説明し、費用負担や工期について理解してもらう関係を築くことが必要です。極めて稀ですが、リフォームの現場を理解しようとせずに、無茶な要求をしてくるお客様については、残念ですが、お断りすることも必要です。しっかりと適切な説明が出来れば、分かってくれるお客様がほとんどだと思いますが。
一方で、施工管理も、最終的に費用を頂いているのはオーナー様やご入居者であることを念頭に、契約時の約束事である、施工内容、工期や品質管理における工事マネジメント側の最終責任者であるという意識を忘れずに、職人さんと対等な関係を気づき、要求すべきことは要求するとともに、職人さんが最大限スキルを発揮し、気持ちよく仕事をして貰える様に、事前の段取りや施工内容の説明が必要です。また、営業にも現場の状況を適宜報告し、必要に応じて営業に施工知識を伝えつつ、加えて、各オーナー様の関心や好み、懸念、期待値を理解しようと努めることが必要です。
相互理解に向けた取り組み
上記は言うは易しで、日々忙しい中で、実際はなかなか難しいのが現状です。
そこでエイムズでは社内連携の一助とすべく、以下取り組みを進めています。
1.リノベ事業全メンバ参加によるトラブル案件の振り返り
3か月に一度、営業、設計、施工管理はもとより、大工メンバも含めて、リノベ事業全員が参加する全体会議を開催しており、その場で学びの多かった案件を振り返り、今後の対策を全員で協議しています。自分が担当していないと、状況が良く分からないということが多いため、こういった場を設けて、全員が学べる場は非常に貴重な機会となっています。
2.エイムズ施工マニュアルの作成
施工管理、大工メンバが中心にエイムズの施工マニュアルを作成中で、工事のステップはもとより、各ステップでの標準仕様や、あるべき仕上げ状況を写真等を交えながら、視覚的に分かり易くまとめています。最終的にはマニュアルを営業にも共有し、営業が細かい施工内容についても理解できる様な教材としても活用したいと思っています。
長くなりましたが、リフォーム会社のあるある、共感している同業者の方は多いのではないでしょうか?
もし、自社ではこんな取り組みをしているよとか、こんな仕組みで乗り越えてます、みたいな事例があれば、是非教えてください!ご連絡お待ちしています!!