賃貸リノベーションをする際に欠かせない、予算を決める際の手順と、費用の確保に必要となる収支計画の立て方のポイントをご紹介します。
リノベーションをするにあたって、どれくらいの費用を考えておけばいいのでしょうか。リノベーション費用の適正な金額や費用を考えるために必要なポイントなどがあれば教えてください。
リノベーションの予算を考えるためには、期待利回りが重要になります。予算を決める際の手順と、費用を確保するために必要になる収支計画の立て方のポイントをご紹介します。
目次
収支計画の第一歩!リノベーションの工事費用の予算設定
リノベーションの工事予算を決めるには、以下の順番でリノベーションの計画をしていく必要があります。
- ターゲット賃料
- リフォーム予算
- 期待利回り
- 工事内容調整
- 資金調達
1.リノベーション後のターゲット賃料を決める
まずは、周辺の物件賃料や供給状況のリサーチをして、リノベーション後にどこまで賃料を上げることができるかを探ります。
供給が少ないなどの理由で新築とほぼ同じ賃料というケースもありますが、基本的には新築より高くなることはありません。
床面積や間取りの他、木造やRC造などの構造も条件を揃えてリサーチをかけます。
立地で多少の差が出ることはありますが、そこまで大きな差が出ることはありません。
リノベーション会社から提示されたリノベーション後の賃料の根拠を確かめておきましょう。心配であれば上記のような情報はネットで検索することも可能です。
さらに詳細にリサーチをかける場合、同じターミナル駅につながっている複数エリアで同じように競合となる物件のリサーチをすることもあります。
他にも、内装の訴求ポイントがあればいくら賃料が上がったのか、バス・トイレ別にするといくら賃料が上がったのかなど、過去の事例から家賃アップの基準を探ることも可能です。
2.大まかなリフォーム予算を出す
ターゲット賃料が出れば、家賃がいくら上がるのか予測がついた状態になります。
ここで大まかなリフォーム予算を出します。
たとえば、家賃が5万円だったものがリノベーションをして7万円に上がるのであれば、年間の収益は24万円のプラスです。
リフォーム利回りを5%以上にしたいと考えていれば、工事費用としてかけられるのは480万円までとなります。
3.期待利回りを出して、リノベーションを行うべきか否かを判断
そこまで家賃を上げるために必要な工事をするのに、どれくらいの費用がかかるのかが出てくれば、リノベーションに必要な予算が固まります。
ここまでくれば期待利回りが出て、リノベーションをやるべきかどうかの判断ができる状況になっているはずです。
エイムズでも、まずは賃料がどれくらい上がりそうか、そのための工事費用としてどれくらいの金額がかかりそうかをお伝えしています。
利回りの基準は3%が最低ライン、要望によっては10%を目指すこともあります。
4.リノベーションの工事内容を調整する
ここまでで工事内容と予算がある程度固まっているので、工事内容の詳細を詰めていく段階です。
クロスやタイルのカラーなどはあまり費用に影響しないため、この段階でいくつかのパターンから物件に合わせて決めていくことになります。
一方、床を無垢床にしたい、設備を変更したいとなれば費用も変わってくるため、予算や期待利回りも変更が必要です。
5.必要に応じてリノベーション費用の資金調達をする
最後に、リノベーション費用をどう捻出するかを決めていきます。
1棟まるごと、20部屋近くリノベーションをするなどの大規模なものであれば、ほとんどのケースで銀行からの借り入れが必要になるはずです。
銀行から借り入れる場合、リフォーム利回りが借り入れの金利を上回っていることが前提になります。
リノベーション費用を借り入れするなら収支計画が必要!作り方は?
借り入れをするとなれば、事業計画やその中に盛り込む収支計画などが必要です。
工事費用の算出以外にも収支に盛り込む必要のあるものを忘れずに入れていくことで、精度の高い収支計画を立てることができます。
収支計画のポイントは、収入と支出を正確に把握・反映することです。
収入は家賃、共益費、敷金礼金など。ここに空室率を反映してリアルな計画にしていきます。
支出は管理料や修繕費、毎月のローン支払いなど。リノベーションの工事費用設定で利回りを出していますが、利回りにエアコンや給湯器の費用は加味されていません。
10年ほどで交換する設備であり、賃料に対しても影響がないためです。詳細な収支計画を立てるうえでは、このような設備の交換費用なども見込んでおく必要があります。
これだけでも大まかな収支計画としては十分です。すでにかかっている費用とリノベーションをしてどれだけ収入が増えるかが反映されていれば、リノベーションの収支計画としての情報はある程度揃っています。
細かい部分ですが、ローンの支払い金利は経費として損金処理をすることができます。さらに、リノベーションにかかった費用は「資本的支出」として経費計上できます。耐用年数に合わせて償却するため、所得から差し引くことになり税金が抑えられます。このあたりも反映するとかなり詳細な収支計画を作成することが可能です。
賃料査定と期待利回りをきちんと見極めて効果的なリノベーションを
リノベーションの費用を考えるうえで大事なのは、賃料査定と期待利回りです。
特に予定していた賃料で入居者が決まらなければ、期待利回りやその後の収支計画はすべて白紙になります。
賃料査定を受けたときには、その根拠をしっかりと提示してもらい、余裕があれば自分でも周辺の物件の状況などをリサーチして、査定の根拠データを確かめると安心です。
ターゲット賃料が適正であれば、計画通りの安定した賃貸経営が期待できます。
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