和室はただ洋室にリノベーションすれば印象が良くなるというわけではありません。入居者から選ばれるための、和室→洋室の成功ポイントを事例とともに紹介します。
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築40年のアパートを経営しているのですが、築古なうえに和室もあるため長期空室になっている部屋が増えてきました。和室を洋室にリノベーションしようと考えているのですが、入居者に喜ばれるリノベーションのコツはありますか?
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和室を洋室にすれば入居者が決まるとは言いにくいのですが、和室を洋室にリノベーションする際に気をつけるポイントや、入居者から選ばれる物件にするためのポイントはあります。リノベーションのイメージを持ちやすいように、失敗例や成功事例などを紹介します。
目次
ニーズを踏まえても和室は洋室にリノベーションするのがおすすめ
まず前提として、所有する物件に和室が残っているのであれば洋室にしてしまうことをおすすめします。
現代のライフスタイルは洋式化し、インテリアなども和室には合わないものがほとんどです。 そのため、和室は人気がなくなっており、和室があるだけで入居者の候補から外れる可能性が高くなります。
ただし、和室をただ洋室に変更しただけのケースや、コストを抑えて和室を洋室にすると失敗するケースがあるため注意が必要です。
和室を洋室にリノベーションしても決まらない…失敗するのはなぜ?
和室を洋室にするためには、建具の交換、畳からフローリングへの交換、床のレベル上げ、押し入れのクローゼット化など様々な工程があります。
しかし、これらの工程を個別に考えて、必要と感じる工事だけをすると失敗するケースが多いです。以前ご紹介した積み上げ型の見積もりの出し方をしてもらっている場合も注意が必要です。
アパート・賃貸マンションのリノベーションでコストを抑えるには?カギは「見積もりの見方」
和室を洋室っぽくしただけの部屋では、どうしても和室感が残ってしまうことがあります。
例えば、床はフローリングなのに天井が和風な板材のままになっている部屋や、ひどいケースでは竿縁という天井板を支えるものが残っている部屋などがあります。こういったケースでは、天井は面積も広いため、かなり和室っぽさが感じられます。
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ふすまが入っていたところや窓などの枠周りが既存のままになっている部屋も要注意です。
和室を洋室へと変更する際に塗装をして部屋の壁と色を揃えるのですが、枠周りの塗装をせずにそのままになっていると和室っぽさが残ります。
面積の大きい部分でいえば、他の部屋と床のフローリングが違うことで違和感が出てしまうケースもあります。
他の部屋で使用している床板と同じものが販売されていない場合、和室を洋室にする工事だけをしたときには、その部屋だけ違う床材を使うしかありません。そうした場合、部屋ごとにぶつ切りになったような違和感が出ることがあります。
他にも壁面の照明スイッチがないなど、細かな部分で和室っぽさが残ることはあります。
最低でも和室全体を洋室化すること、できれば物件全体でリノベーションをすることで失敗を防ぐことができます。
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エイムズでは和室の洋室化を単体で実施することはありません。物件のデザインやコンセプトに合わせて床材や色味などを調整することで、ようやく魅力ある物件にすることができるからです。和室が残っていては人気も出にくいため、ぜひ全体的なリノベーションを検討してみてください。
和室感がゼロに!洋室へのリノベーション成功事例3選
事例1:少し和室感の残る洋室を開放感のある部屋にリノベーション
○物件概要
築年月:1988年 間取り:1K 面積:21.76㎡ 構造:鉄筋コンクリート造3階建て
最寄駅:都立大学駅より徒歩3分
リノベーション前にオーナーが抱えていたお悩み
築30年を超えていることもあり、退去のたびにバリューアップをしていた物件です。
和室を洋室にしていたものの、天井は和室感の残る板材のままになっていました。
壁に備え付けられたフックも少し古い印象を与えています。
リノベーション前
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リノベーション後
天井の高さを出し、開放感のある部屋にするために天井は躯体表しに変更。床材も無垢床にすることで、おしゃれでリノベーション感のある物件になりました。
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壁にあった壁掛けフックは取り払い、広々使えるオープンクローゼットを新設。元からあったクローゼットをなくしたことで、バス・トイレ別になっています。
キッチンはおしゃれなタイル貼りで設備も新しく、独立洗面台も付いている人気物件に生まれ変わりました。
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この事例の詳細はこちら「都立大学 天井の高さを生かした開放感のあるリノベーション」
他のお部屋も順次リノベーションを行い、賃料アップをしながら入居者を獲得できています。
家賃4万円アップした同物件の別部屋のリノベーション事例の詳細はこちら
事例2:洋室リノベもふすまや押し入れはそのまま…和室感払拭で家賃2.5万円アップ!
○物件概要
築年月:1988年 間取り:1LDK 面積:42㎡ 構造:RC造
最寄駅:三軒茶屋駅より徒歩9分
リノベーション前にオーナーが抱えていたお悩み
以前に和室を洋室にされているお部屋のリノベーション事例です。
和室を洋室にしているものの、ふすまや押し入れはそのままの状態。枠周りも塗装されずに残っているため、和室感がかなり残っていました。
また、間取りが区切られていることで、キッチンが暗い印象になってしまうのもマイナスポイントでした。
リノベーション前
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リノベーション後
まず、キッチンと居室をつなげることで明るく開放感のあるリビングになりました。
天井は躯体表しにし、窓から見える木があることで南国を思わせるお部屋になっています。
押し入れもクローゼットにしたことで和室感を完全に取り払うことができました。
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リノベーション後、家賃を2.5万円上げたものの、即入居が決まる人気物件になっています。
○工事費用・施工後の賃料の変化
工事費用:約415万円
賃料:14→16.5万円
この事例の詳細はこちら「世田谷区 1LDKを南国風リノベで完成前に入居確定」
事例3:和室が残る築37年の物件を統一感のあるリノベーションで家賃3.1万円アップ!
○物件概要
築年月:1988年 間取り:1LDK 面積:42㎡ 構造:RC造
最寄駅:三軒茶屋駅より徒歩9分
リノベーション前にオーナーが抱えていたお悩み
寝室が和室になっていたこちらの物件。
和室自体はきれいにされているものの和室の人気がないため競争力も低下している状況でした。
キッチンと隣接する部屋との間には過去に建具が入っていたことを感じさせる枠もそのまま残っており、チグハグさを感じる内装になっていました。
リノベーション前
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リノベーション後
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和室は完全な洋室へとリノベーション。窓にはまっていた障子がなくなったため、窓が広くなり、開放的な寝室になりました。
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また、キッチンと部屋の間にあった枠を取り除くことで、違和感のない広いリビングへと変身。寝室との一体感が出たことでチグハグさもなくなっています。
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キッチンはリノベーション感のある造作キッチンに。独立洗面台やトイレも綺麗になり、新築同様の人気物件になっています。
○工事費用・施工後の賃料の変化
工事費用:241万円
賃料:9.5万円→12.6万円
この事例の詳細はこちら「川口 グレイッシュカラーが際立つ、ゆったりワンルーム」
和室から洋室にするなら統一感は欠かせない
和室を洋室にするリノベーションで失敗しないポイントと事例をご紹介しました。
和室を洋室にすることはおすすめですが、ここまでご紹介してきたように、ただ洋室にすればいいというわけではありません。
和室感を残さず、内装全体を統一感のあるものにリノベーションすることで、家賃を上げながら入居者が決まる物件にすることができます。
和室を洋室にするだけでOKと考えず、この工事をすることで家賃が上がるのか、入居者が決まるようになるのかをしっかりと考えてみてください。
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